やった!ドラム缶窯 快挙!!
今まで何度も焚いてきましたが、いつも8時間で焼いてきて、ちょっと焼く時間が短いなぁ〜…と思っていました。その事を先日知り合った例の登り窯だけでやっている陶芸家の方に話した時、やっぱりもっと焼く時間を延ばしてやってみたらとアドバイスをいただいていました。
そこで、今回は12時間かけて焼いてみることにしました。
今、素焼になっている作品はなるべく登り窯に入れたいという気持ちもあり、ドラム缶の中には焼き直しを多数入れました。
いつもだいたい4段の棚組をするのですが、下から3段しか作品を上手く焼くことが出来ません。しかも棚組を低く抑えてです。上と下で温度差がとても大きいからです。
今回も4段棚組をしましたが、作品の背が思った以上に高かったため、一番上の段は結構高い位置になり、上部に設置する温度計の位置にだいぶ近くなってしまいました。
一番上の段は、いつもならまず焼けない位置です。しかし今回は少し期待を抱いていました。なぜなら12時間かけて焼くから。
いつもは8時間で焼こうとバーナーの油の量を上げてグイグイ温度を上げていこうとします。今回はそうではなくて、なるべくバーナーの火を弱い状態にして窯全体をじんわり温めることで、下に過剰に熱を加えずに上の方も温めるというイメージでいこうと思いました。これなら温度差を縮められるかもしれません。
そして、熱の壁。
せっかく下から加えた熱を無駄に煙突に逃がしてしまわないように熱が留まるよう内蓋をします。これは最近のドラム缶窯の焼成ではいつもやっている事ですが、この内蓋を少し高い位置に持っていきました。つまり熱の逃げ道を狭めました。
そして煙突へと繋がる穴を残して蓋。
で、翌日いよいよ窯焚き。
朝の7時に火入れしました。
窯場はだんだんと冬の気配がしてきました。
予定通り、なるべく火力を上げずに焚いていきます。
すると、効果は600度の段階で如実に現れました。
600度くらいになると窯の内部では「スス切れ」という現象が起こり、ぼーっと明るくなります。ドラム缶窯では、いつも上部の温度計が600度になった時、下の段の雰囲気はもう700度くらいの感じになってしまいます。下の段は「色見」を引き抜く穴から中を見ることが出来ます。
しかし、今回は600度の時、下の段もまだ600度くらいの雰囲気のままでした。
狙い通り!
これはいけるかもしれない…
ということでなるべくじわりじわりと窯焚き続行。
すると温度計が1100度になっても下の段に入れた藁灰釉の釉薬がしっかりと溶けてきません。いつもならしっかり溶けて流れ始めるくらいの温度です。
1160度になった時に色見を出してみました。
お!?
おおお!!
流れてデロデロになってもおかしくないのにちょうどいい雰囲気!
これが今までの8時間焼成のデータ。
1120度までしか温度を上げれませんでした。
そしてこっちが今回。
1200度まで上げました。
窯の雰囲気もそんなにひどく真っ赤っかではありません(笑)
ついにやった!1200度!!
これなら一番上の段も焼けているかもしれません。
で、2日後。
ワクワクしながら開けてみました。
おーーーっ!!!
少し生焼けがあるものの、一番上の段、焼けてます!
やったー!!!
そして一番下の段もなんとか作品になっていました。
今までちょっとしか焼けないと嘆いていましたが、これが解決策だったのか!
窯には焚き方があるんだということを身をもって知りました。この経験は登り窯の焼き方にも当てはめられる気がします!
んー、いい勉強になった!
そして、やったやったー!!