人気ブログランキング | 話題のタグを見る
10月12日から13日にかけて、5度目の本焼きを行いました。今年2度目の窯焚きです。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_21444775.gif

これまで毎年、年一回の窯焚きを春に行ってきましたが、今年は素焼のストックがだいぶ貯まってきたので、一回の窯焚きで焼く半分くらいの量を追加で作って、もう一度年内に窯を焚くことにしました。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_21542468.gif

当日は良く晴れた秋晴れ。気持ち良く窯焚き出来そうです。

10月7日から9日まで萩では秋の萩焼まつりがあり、牧野窯も出店しました。
本当はこの萩焼まつりの前に窯焚きをしてしまいたいと思っていました。9月中に窯詰めを終えることは出来たのですが、残念ながら時間と体力が追いつかず、断念。トホホ…
そこで萩焼まつりが終わった後に焚くことに。

11日は窯の湿気を抜くために、窯の焙りをしました。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23095196.gif

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23091578.gif

つまり、萩焼まつりが終わって1日休んですぐ窯焚きの作業となりました。

体力大丈夫かなぁ…とやや不安でしたが、始まってみると何故か体調絶好調!萩焼まつりで普段と違う疲れ方だったからなのか、今までで一番調子良いんじゃないかってくらいに良い状態でした。(最近取り組んでいる筋トレが良かったのかな?)
なんだかジワっとワクワクしていて、体調が良いから楽しいのか、気持ちが盛り上がっているから体調が良いのかなんだか分からないけど、とにかく良い感じ。上手くいきそうな予感がします。

窯焚きは、最初は焚き火程度の感じでゆるゆる焚いていきます。
結構、時間に余裕があるので、カメラでも持ってきてあちこち撮ってみようかなー…なんて思いましたが、やめました。

カメラ持ってきちゃうと、こんなのとか

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_00021951.gif

こんなのとか

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_00014844.gif

はたまたこんなのとか

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_00024656.gif

カメラで撮って夢中になっちゃって、肝心な窯焚きがおろそかになりそう…
やめて正解です(笑)

自然豊かなこの窯場でゆっくり窯焚きするのは結構好きです。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_00134226.gif

鳥や虫の声を聞いたり、木々の揺れる音を聞いたり、心地よく吹く風を感じたり。

でも、いつも14時くらいから17時くらいまで、どうにも退屈になってしまう時間帯があります。
そこで今回はウォークマンを持ち出して、音楽を掛けてみることにしました。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_00031127.gif

(↑窯焚きの時の勉強机)

あまり自然の中にいる感覚を邪魔しないようJAZZを選択。これがなかなかハマりました。
ちょっと音楽が流れていることで、そんなに退屈しませんし、かえって集中も出来ます。音楽を聴きながら窯焚きなんてどうかと思いましたが、お勧めですね!アハハ。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_06330745.gif

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_06340092.gif

21時からいつものように助っ人の柏谷くんに手伝ってもらって、2人で焚いていきます。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_06430546.gif

柏谷くんも既に窯焚き4回目!もうベテラン!?勝手を分かってくれているので安心です。

今回も、前回の結果から修正して臨む窯焚きです。前回、だいぶコントロールできた感覚があったので大きな修正はなく、焚くペース、煙突の引きの調整、火を止めるタイミングなどに気を配りました。

4回焚いてきて、窯詰めも含めてキッチリやっていけば焚けないことはないという安心感があるので、以前のような「果たして大丈夫だろうか…焚ききれないなんて事にならないだろうか…」みたいなドキドキはあまり感じず、意識はどう窯焚きを完結させていこうかという方向に向いていきます。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_19181480.gif

こうなってくると、やはり温度計はありがたい存在です。窯焚きの経験をデータ化しやすいし、回数を重ねた時、狙った結果に向けて調整していきやすいと思います。もちろん温度計が全てではなく、毎回違った窯焚きになるのは言うまでもない事なのですが。

午前3時。ほぼ前回と同じ時間に大口の温度を十分上げる事ができ、横焚きへ移動。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_21314804.gif

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23214422.gif

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_21322504.gif

ここからはちょっと必死です。柏谷くんと交代交代にひっきりなしで焚いて温度を上げていきます。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_21442093.gif

薪を投げ込む場所には、灰被りと言って薪の灰をわざと被せる作品が入れてありますが、窯焚きの回を重ねる毎に量が増えて、今ではかなりいっぱい入っています。最初は遠慮がちにちょこっとしか入ってなかったのに…(笑)

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_21521206.gif

作品に薪が当たると、割れたり倒れたりするので、当たらないように気をつけながら投げたいところなのですが、横焚きが始まってみるとそれどころではなく、とにかく一生懸命薪を投げ入れている自分がいます。ええい!なるようになれ!みたいな気分…

窯焚きの進み具合は前回と良く似ていて、素直な温度上昇。
終盤に差し掛かってくると、なるべく頻繁に色見(釉薬の溶け具合を確かめるためのテストピース)を取り出してチェックするようにしました。柏谷くんが焚いてくれてる間に窯の裏側に回って、奥の色見を取り出したり。なるべく釉薬が「ギリギリ溶けたかな」くらいなところで火を止めたい。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23531955.gif

でも、なかなか「ピタッ!」と止めるのは難しいですね(当たり前だ 笑)一の間、だいたいこんなとこかな、まずまずだなってとこで終了。二の間に移動。

夜が明けて、美しい朝焼け登場。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23220789.gif

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23275424.gif

二の間は、いつも一の間よりもあっけなく終わります。今まで働いていたところの窯焚きでは、いつも一の間はあっさり、二の間はじっくりみたいな焚きだったのですが、この窯では反対…そういう窯なのか、変な焚き方なのか…
別に変わった事をしてるつもりはないのですが(笑)

で、ゆっくり焚いてもすんなり温度が上がって、色見をチェックしていたけど、釉薬キッチリ溶けて終了ー。

5度目の本焼き 秋の窯_d0222675_23534505.gif

7時過ぎ。
無事終えることが出来ました。

今回は、なんだか良く分かりませんがとても楽しく窯焚き出来ました。見るからに「ルンルン♪で仕事した!」とかそういう事ではないのですが。体調も良くて全く疲れを感じなかったし、あーしてこーしてとアレコレ動けて、それに対して窯が反応して。まるで訳が分からず、どうなるか分からない状態とは違って、なんとなく掴んできている感覚が楽しいのでしょうか。次回上手くいくか分からないし、大失敗するかもしれませんが、今回はそんな感じでした。
ただ、それは焚いてる時の気分の問題で、上手く焚けたかは別。ちょっと還元かけ過ぎたかなー…焼きすぎたかなー…
窯出しが楽しみです(笑)



牧野窯のギャラリーの数軒向こうで、空き家の解体が始まりました。道を挟んだ向こう側で、全くもって寝耳に水!

突然に始まった解体作業!_d0222675_16521701.gif

突然に始まった解体作業!_d0222675_16523019.gif

三見市(さんみいち)は下関から萩への赤間関(あかまがせき)街道の宿場町だった場所。昔の面影を残したこの通りは風情があって、何とも良い場所です。

牧野窯が工房を構えた時には、ちょうどお隣の空き家がもう崩壊寸前で解体されました。そしてまた一軒

段々と家並みが変わっていくのを眺め、寂しく残念に思うのでした


突然に始まった解体作業!_d0222675_16523814.gif

解体で出た廃材は一部いただいて、窯焚きの薪として使わせていただく事にしました。


突然に始まった解体作業!_d0222675_16593488.gif

立派な材です!


突然に始まった解体作業!_d0222675_16562751.gif



# by 4101eminem | 2023-10-10 16:52 | 日常
4度目の登り窯の窯焚き(本焼き)です。

4度目の本焼き_d0222675_23283569.gif

4月10日、11日で行いました。天気に恵まれ、快晴。

4度目の本焼き_d0222675_23275216.gif

毎年この時期の窯焚きになってしまっていますが、窯を焚くには熱くもなく寒くもない丁度良い塩梅です。

前回の窯焚きで、少しは感覚を掴めたと思いましたが、今回はさらにもう少し上手く焚けるようにしたい。で、窯にほんのちょっと手を入れました。
窯の上部に簡単にレンガで塞いだ場所があって、窯焚きの最中、そこの隙間から炎が吹き出すのですが、その吹き出しを見て窯の様子を確認します。

4度目の本焼き_d0222675_23293694.gif

この窯は職人さんにキッチリ作ってもらっているので、そのレンガの隙間があまりないようで、炎が思ったほどはっきり出てきません。なので、レンガに穴を開けて、わざわざ炎を出させるようにしました。

4度目の本焼き_d0222675_23311659.gif

これで今までより良く状態が確認できるはず♪
ほんのちょっとのことですが、これで回数焚くことで、どれくらい薪で焚きこんだら良いか、どれくらい煙突を調整したらよいか、見当がつくだろうと思います。

で、窯焚き。

4度目の本焼き_d0222675_06333071.gif

4度目の本焼き_d0222675_20035677.gif

朝からの焚き火。
太い柱を薪としてくべます。

4度目の本焼き_d0222675_20054519.gif

ボチボチなので、暇ではありますが、定期的に薪をくべるので、気を抜き過ぎるわけにもいかず…

4度目の本焼き_d0222675_20082277.gif

以前働いていた仕事場の登り窯では、温度計を使いませんでした。なので、だいたいな感じで薪をくべて炎の延び具合で様子を掴んで焚いていきました。しかし、僕の窯には温度計が付けてあります。温度計で昇温状況を確認しながら、薪の量と時間を調整していきます。もちろん、窯の状態は他にもいろいろ確認して、記録していきます。いずれ温度計が無くても焚けるようにです。温度計があると温度計と睨めっこになって、なんとなくどうなのかなぁ…と思うのです(笑)

夜20時。
前回同様、助っ人の柏谷くんに来てもらって、ここからは2人で割木をくべます。

4度目の本焼き_d0222675_20090557.gif

ここからがまた長い。

4度目の本焼き_d0222675_20124084.gif

くべる薪の量を増やせばグイグイ温度を上げられそうな気もするのですが、そうすると焚き過ぎてしまいそうな予感がするので、温度が上がるうちは辛抱して、どうも上がりが悪いなと思ったら薪を増やしていきました。
前回と比べて、もう少し焚きやすく窯詰めをしたつもりでしたが、なんとなく前回より温度の上がりが悪い感じ。まあ、それでもどうにも時間のかかった前々回のようにはならない雰囲気なので、ジリジリ焚きます。

4度目の本焼き_d0222675_20131415.gif

窯が1000℃くらいで炎が吹き出しました。

4度目の本焼き_d0222675_23330185.gif

やはり穴を開けて正解!しっかり炎を確認出来るので、状態が分かりやすいです。

温度は依然としてなんとなく上がりにくいので、前回より早く薪を増やして、少し攻め気味に焚きます。

4度目の本焼き_d0222675_20100867.gif

相方と柏谷くんには分からなかったと思いますが、ちょっと緊張気味のワシ(笑)焚き過ぎて酸欠にならないか、熾(おき)が貯まりすぎてしまわないか、かえって失速しないか、いろいろぐるぐる考えます。で、ジリジリと温度上昇…
窯焚きは毎回違って、毎回初めてみたいなもんだと陶芸家の先輩が言ってましたが、そんなもんなのでしょう。

夜中の3時半、大口を焚ききり、横焚き(一の間を直接焚きます)へ移動。

4度目の本焼き_d0222675_23363047.gif

ほっと一安心。
でも、今度は結構ひっきりなしに焚くので忙しい。ここからも窯に開けた穴の炎を確認しながら焚きます。薪をめいっぱい投げ込んでいくと、穴から炎が吹き出します。

温度計は窯のてっぺんに付いていて、そこの温度を測っていますが、前回までの経験で、そこの温度が1300℃になったら要注意(もうそろそろ終了が近い)だなと思っていました。が、ゼーゲルコーンというもう一つ温度を知るための道具(一定の温度で倒れる三角錐の棒。釉薬の溶ける温度の物を入れています)をチェックしていたら、1300℃より手前で倒れた始めたので、用心のつもりで色見を出してみました。すると…

アレ?もう良いんでない??

そこで、もう少しだけ焚きこんで、もう良い感じなので前回より早めに一の間の焚きを切りやめました。前回より少し焼きを柔らかくするのが狙いです。なんか止める時はあっけなく(笑)

そして5時40分、二の間へ移動。

4度目の本焼き_d0222675_23383503.gif

前回、ここでグイグイ焚きましたが、今回はゆるりと。二の間はどうしても焼きがきつい印象なので、こちらも柔らかく焼き上げたい。でもどうすればいいか今一つ分かっていないので、とりあえずゆるゆる行ってみます(笑)

4度目の本焼き_d0222675_23390166.gif

ゼーゲルコーンはびくとも動きません。

4度目の本焼き_d0222675_20140760.gif
(ゼーゲルコーン見てます)

このままゆるゆる行っても動かなそうな予感もするので、とりあえず少し攻めて1300℃まで上げてみることに。で、色見を出してみました。

4度目の本焼き_d0222675_20150545.gif

すると…

4度目の本焼き_d0222675_20152115.gif

アレ?もう良いんでない??

慌てて再度ゼーゲル確認(汗)
ばっちり動いた!
こちらももう少し焚きこんで、前回より早めに終了ー。

終わった終わった♪
無事終わったぁ〜!
朝7時10分終了です。
終わりはなんだか呆気ない。
柏谷くん、相方、ありがとうございました!

今回の窯焚きで思う事。
やはり温度計とゼーゲルコーンは当てにし過ぎない方が良い(笑)
そして、窯焚きは毎回違う。だから良く考えて臨機応変に対応。
その上で、矛盾してるようだけど、温度計ってやっぱりありがたい(笑)無くてもアバウトに焚けるし、それでも良いとも思うけれど、無駄に焚き過ぎてしまって狙いと違った焚き上がりになってしまうのを防いでくれるように思います。こんな風に焚きあげたいって想いがあれば、温度計のお世話になるのもありなのかも。これはちょっと心境の変化。
データと経験は大事。毎回違う窯焚きだけど、積み重ねが無いと毎回ゼロから考えないといけません。年一回とかの窯焚きだといろいろ忘れちゃいますね(笑)ろくろや釉掛けも忘れちゃう。やり始めて、あ、こうだっけって思い出します。積み重ねがあれば、あんな時こうした、こんな時ああしたと考えることが出来ます。三輪休和さんも窯焚き日誌をつけてました。
窯の火吹きの穴はたぶん大正解。これで、窯からやきものを出した結果で、次回どう焚くか更に検討出来ると思います。

あとは窯を出してみてからの判断になります。少し冷めたら焚き口から中を覗けますが、それでは火前のごく一部しか見れないので、実際全部出した時の印象とはだいぶ異なります。ま、出来ることはやれたと思うので、結果が楽しみです♪

それにしても、気が張っているので窯焚きの最中は何とか持ちこたえますが、終わった途端に全身クタクタボロボロです(笑)



窯を焚き終えて、1週間もしないうちに窯出ししました。

薪小屋の溝掘り_d0222675_09094978.gif

薪小屋の溝掘り_d0222675_09104461.gif

薪小屋の溝掘り_d0222675_09113476.gif

薪小屋の溝掘り_d0222675_09132441.gif

薪小屋の溝掘り_d0222675_09142036.gif

薪小屋の溝掘り_d0222675_09123929.gif

窯焚きの手ごたえが良かったように、焚け具合も今までの中では一番良い焼き上がりだったと思います。良し良し♪
もちろん、改良の余地はまだまだあります。また次回、変えていくつもりです。

4月の窯焚きから窯出し、そして萩焼まつりに広島そごうの「大茶道具展」と怒涛の日々が続きましたが、ここへきて、ようやく一息つけた感じ。とはいえ、6月にも展示会の予定が2つあります。ありがたい事です。

余裕が出来たということは、通常の仕事をする時です!やる事はわんさかあります!!
主に肉体労働…てか、ほぼ肉体労働…(汗)

窯焚きに使う薪のことで、気になっている事があります。薪小屋を作って、薪を保管出来るようになったのですが、大雨が降ると薪小屋に雨水が流れ込み、中がびしょ濡れになってしまうのです。
薪小屋を建てた時、小屋の後ろに溝を掘って、山側から流れてきた雨水を逃すようにしたのですが、それでも雨水はあらぬ方向からも入り込んであまり効果がありません。
薪は、ブロックの上に横木を架けて、その上に積んでいるので、直接濡れることはありませんが、湿気を被るのは好ましくありません。条件によってはアリが付いてしまう事も。実際、今回使用した薪も、少しアリにやられていました…トホホ……

で、これからの大雨の季節を前に、薪小屋の周りにビシっ!と溝を掘る事にしました。

登り窯を作る時に造成してもらった地面は、ガチガチに固まって、一から鍬(くわ)で掘ろうとすると地獄を見ます(笑)何回かやって凝りました。
そこで、建設機械のレンタル会社リョーキさんからハンマードリルを借りてきて作業する事に。

溝を作る場所をハンマードリルでハツって、ガチガチの地面をほぐしていきます。

薪小屋の溝掘り_d0222675_09043007.gif

でもって、キッチリ溝を掘り下げて

薪小屋の溝掘り_d0222675_09573422.gif

土砂をどかします。

薪小屋の溝掘り_d0222675_09575637.gif

あまり深く掘ると、元の田んぼの土が出て、雑草がモリモリ生えるので、ちょっと嫌なんですが、それよりも雨水の方が問題!
なので、容赦なく掘ります。

溝は、窯の脇の大きな溝に繋げて、雨水を逃がします。

薪小屋の溝掘り_d0222675_09595405.gif

半日かけて完成!

薪小屋の溝掘り_d0222675_10021572.gif

さすが電動工具。重いのが玉に瑕ですが、思いのほか楽に作業を終えました。
しかし、アチー!

薪小屋の溝掘り_d0222675_10030177.gif

薪小屋の溝掘り_d0222675_10143352.gif

果たして、これで安心して梅雨を迎える事が出来るのか…
どきどき…

そして雨。

薪小屋の溝掘り_d0222675_10160453.gif

薪小屋は…

薪小屋の溝掘り_d0222675_10162593.gif

おー!!

薪小屋の溝掘り_d0222675_10165027.gif

見事に雨の侵入を抑え、小屋の下の地面が濡れずに済んでいます。

薪小屋の溝掘り_d0222675_10171601.gif

こんな絵に描いたような効果は期待以上です。どうせ素人がやる事なので、何かしら問題が残るかと思ったのですが。

わーいわーい♪

という事で、梅雨でも台風でもなんでもござれ!(ウソ、やめて)

4月16〜17日で、登り窯での3度目の本焼きをしました。

窯を詰めきって、いよいよです。

3度目の本焼_d0222675_07440349.gif

天気予報では、当日は晴れの予報。15日の湿気抜きの日は曇りの予報。
しかし15日は前の日の雨を引きずって終日雨…

3度目の本焼_d0222675_07344022.gif

3度目の本焼_d0222675_07362600.gif

時々風で窯に雨が当たる中での湿気抜き。中には影響ないので問題ありませんが、もし本焼き当日に雨が降って、こんなだったらかなわんなぁ〜(汗)

で、当日。

3度目の本焼_d0222675_12243823.gif

晴れました♪

火入れ。

3度目の本焼_d0222675_07480648.gif

3度目の本焼_d0222675_07483998.gif

やや風強し。これが吉と出るか凶と出るか…
あまり吹き下ろしの感じではなく、前から吹き込む感じなので、火がボーボー燃えて温度は上がりそうです。

毎度の事ですが、窯焚きと言っても最初は焚き火みたいなもので、むしろ焚きすぎないように気をつけながらボチボチ焚いていきます。

3度目の本焼_d0222675_12285617.gif

はっきり言って暇なぐらいなのですが、ちゃんとずっとついて見張って、必要な時に薪をくべないといけないので、それはそれで重要。

3度目の本焼_d0222675_13331804.gif
(シャイな来客登場)

3度目の本焼_d0222675_12292009.gif

この登り窯を作ってくれた窯屋さんが「窯焚きは哲学ですからねぇ。陶芸家の方はみんな自分の窯焚きの哲学がありますから。」って言ってましたが、まさにそう。こんな最初のチョボチョボでも疎かには出来ません。

そうは言ってもまだ3度目の窯焚き。今までの窯焚きは窯に遊ばれている感が強く、全く思うようにいったとは思えません(笑)
今回は今までの反省をふまえて、上手く焚けるよう窯詰めから注意を払い、窯焚きもある程度考えて進めていきます。登り窯での窯焚きは自然を相手にしているような側面もあるので、「なるようにしかなんねー」的な部分もあります。そこを上手く焚けると良いのですが…

前回はややピッチを落として焚いて、じっくり焼いていきました。が、結果として非常に時間のかかる窯焚きとなり、焼き上がりも思い描いたものとは随分違った感じになりました。
時間をかけて焼けば良いわけでもないとの結論から、今回は火の様子を見てもっと素直に、それでいて焚き過ぎないように焚いていくことに。

陽が落ちて、窯の温度も順調に上がってきたら、2人がかりの窯焚きです。

おりしもこの日はピンクムーンの満月。

3度目の本焼_d0222675_09525068.gif

前回同様、近所の柏谷くんにお手伝い願いました。

3度目の本焼_d0222675_12304270.gif

彼は、昨年は地域おこし協力隊隊員でしたがもう卒業。今では地元三見はもちろん、萩の他地域でも頼られるハンターです。

3度目の本焼_d0222675_13171712.gif

前回は苦しい窯焚きの中、大活躍してくれたので今回も期待!

3度目の本焼_d0222675_12321915.gif

大口を割木で焚きこんでいきます。温度計と窯の状態を見て、薪の量とタイミングを決めて焚きます。

3度目の本焼_d0222675_12345029.gif

今回は撮影の依頼が2つあり、その方たちもやってきて、窯焚きの様子を撮影。

3度目の本焼_d0222675_12463745.gif

3度目の本焼_d0222675_12470309.gif

やはり大口を2人で焚いているところが画になります。

窯の温度が1000度を超えるころになると、だいぶ雰囲気が変わります。窯が黒い煙を上げ、窯の隙間から炎が噴き出します。

3度目の本焼_d0222675_12331394.gif

3度目の本焼_d0222675_12333241.gif

3度目の本焼_d0222675_12384989.gif

3度目の本焼_d0222675_12380313.gif

よしよし、こんな感じこんな感じ♪
今回は煙突の引きを調整して、少し火の通りを悪くしているのでなおさら激しい感じになっています。

窯を焚いていると、どうしようかなぁ…と迷う時があります。特にこの段階以降に。

3度目の本焼_d0222675_12420733.gif

窯の雰囲気とか温度の上がり方がなんだかイメージと違うとそう思います。今回はそんな時「あ、前にああやったからこうしてみよう」とか「以前の窯元でこんな事したなぁ」とか、パッと出てきました。で、実践すると「当たり!」みたいな。
あ、これが経験かぁー!
陶芸家の先輩は口を揃えて「窯焚きは経験だ」と言います。たくさん焚いたら焚いただけ上手くなる。「まあ、10年焚いたら少しはマシになるよ」とか。
なるほどねー!

大口(一番手前の薪を焚く部屋。作品は入っていません)を十分に温めたら、作品の入った部屋を直接焚く横焚きです。今回は夜中の3時過ぎに横に上がりました。だいたい狙い通りの時間です。

3度目の本焼_d0222675_12434142.gif

前回は横に上がるのに明け方7時くらいになってしまいましたから、前回みたいな悪夢は見なくて済みそう(笑)でも、油断は禁物です。
気を引き締め直して臨みます。

3度目の本焼_d0222675_13080259.gif

僕、相方、柏谷くんの3人の間では「まだ分かんないよねー(笑)」が合言葉。

灰窯(1の間。作品の入った一つ目の部屋)の温度の上がり方が思ったほどは良くありませんでした。前回の嫌な感じを思い出します。前回は灰窯の温度を上げるのに、ものすごく時間がかかりました。
今回はそんな時、またも「あっ、こうしたら良いんじゃね」到来!
実践。

3度目の本焼_d0222675_13093575.gif

上手くいきました!

この窯には、窯の温度を知るための3つ道具が仕込んであります。温度計、ゼーゲルコーン、色見。
温度計はいわゆる普通の温度計。窯の中の温度を表示してくれます。
ゼーゲルコーンは、ある温度になると溶けて倒れる棒。やきものが焼ける温度で倒れる物を仕込んであります。
色見は、実際に窯から取り出して釉薬の溶け具合を確認するテストピースみたいな物。最終的に火を止める判断をする物です。
いずれは色見だけで焚けるようにしたいのですが、まだ他の道具も頼りにします。

前回は温度計にかなり頼ってしまったのが良くありませんでした。温度計はあくまで温度計の刺さった場所の温度をその都度表示してくれるだけで、実際にやきものが焼ける温度を差しているわけではありません。

で、今回はまめにいろいろチェックして、焼き過ぎずに灰窯終了!朝の5時くらいです。

良し!順調!!
二の間(作品の入った二つ目の部屋)に移動。

3度目の本焼_d0222675_13040407.gif

ホッとしました。体はくたびれていますが、気持ちに余裕が出てきました。これで仮に二の間が焚き切れなくても、灰窯の作品がある(笑)

二の間は、窯焚きスタートから焚いている時間が長いので、その分熱が加わっています。どうしても焚き終えるまでに温度が上がってしまうので、抑えたいのですが、だからと言って温度を上げないといつまで経っても終わらないという事もあります。やむなくほどほどに焚きこんでいきます。

3度目の本焼_d0222675_13043390.gif

通常、灰窯の焚く時間より、二の間を焚く方が時間がかかります。灰窯を焚き始める時の温度より、二の間を始める時の温度の方が低いからでしょうか。

しかし、終わりは突然やってきました。
二の間を焚き始めてまだそれほど経っていない時、色見を見てまだまだかなぁ〜なんて思っていたのに、しばらくして見たら、あら?もうすぐ終了か!?
慌てて、あちこちチェックして、焼き足りないところを焚きこんでアッという間に終了ー。

朝の6時半。あっけない終了でした。
てか、窯焚きは大概、ジャーンとかバーンとかいって終わるのではなく、なんとなく「はい、終わり」って終わっちゃいます(笑)

3度目の本焼_d0222675_13103084.gif

今回はかなり感触の良い窯焚きとなりました。焼き上がりがどうかはさておき…
かなり窯をコントロールする感じを味わう事が出来ました。

最初の窯焚きは、なんだか良く分からず「暖簾に腕押しなのに焚けちゃった」窯焚き。
2度目は、どうにも言う事を聞かず、「無理やり焚き終えました」な窯焚き。
そして今回は、おお!なんだか「打てば響く!手ごたえあり!」な窯焚きとなりました。

今回の窯焚きが、今後の基準点になりそうな予感がします。焼き上がりがどうかはさておき…
これで窯を出してみて、さらに反省を加えて、次回に繋げていこうと思います!

3度目の本焼_d0222675_13105534.gif

柏谷くん、相方さん、ありがとうございました!お疲れ様でした!